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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (三三) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2017/04/12 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



フレンダ (結局日頃の行いって訳よ!)

破れたストッキングに血を滲ませながら、フレンダは走っていた。
仲間の安否は気になるが、今は逃げることが最優先だ。

麦野が光線を放った直後、頭上から殺人光線が降り注いだ。
あれが何なのかは正体が掴めないが、出力からしてレベル5級。
ならば戦うのは麦野に任せて、自分は逃げることに集中する。

フレンダ (死にたくない)

フレンダ (まだ死ねない)

フレンダ (結局、生き抜いた者勝ちって訳よ!)

可愛い妹が帰りを待っている。
最後まで妹を守れるのは結局、自分しかいない。

人の命には優先順位がある。
フレンダにとって、最優先は妹の命だ。

浜面にとっては滝壺、滝壺にとっては浜面か麦野だろうか。
それでいいと思う。文句も何も無い。それが当然だ。
寂しいとさえ、たまにしか感じない。

仲間の命は優先順位の高い方に位置しているが、
それでも自分や妹の命と引き換えには出来ないと思う。
そんな自分を薄情だとは思わない。・・・たまにしか。


??? 「失礼、お嬢さん。」


フレンダ 「―――っ!?」

にこやかな笑みを浮かべた青年は、
機械で出来た爪を右手に装着し、フレンダの前に現れた。

??? 「そのまま抵抗せずにアイテムの情報を洗いざらい吐いてくれると嬉しいなって」

??? 「カキネはカキネは最終信号の真似をして馬鹿丁寧にお願いしてみるから」


??? 「さっさと武器を捨てろよクソボケ」


その言葉と共に、ガツンと鈍い衝撃がフレンダを襲った。
次の瞬間にはフレンダの方向感覚は失われていた。

フレンダ 「・・・っあ―――・・・」ドサッ


地面に倒れたフレンダの頭を踏みつけ、彼は指を鳴らす。
すると路地裏からドレスの女が出てきた。

定規 「いたいけな女の子に何てことしてるのよ、帝督。」

垣根 「俺は自分の敵には容赦をしない。」

定規 「女の子を足蹴にする男はクズだと思うけど?」

垣根 「悪いが」

垣根 「そんな常識、俺には通用しねえ。」

垣根 「俺がクズ野郎なのは否定しないが、“だからどうした”って話だ。」

垣根 「拷問しても吐きそうにねぇし、テメェのクソ能力の出番だぜ、“心理定規”。」

定規 「・・・名前で呼んでくれないのね。」

垣根 「はあ?」

定規 「何でもない。すぐに済ませるわ。」

フレンダ 「―――っ」ビクン

定規 「これで私との心的距離は、あなたと妹の間ほどに近くなった。」

定規 「あなたにとって私は、妹同然。」

フレンダ 「・・・あ・・・・・・う・・・・・・」ビクン

定規 「お姉ちゃん、“アイテム”について知ってること、洗いざらい教えて、にゃあ?」

定規 「私たちにとって有益な情報を、大体教えてくれる?」

フレンダ 「あっ・・・そんな・・・」ビクンビクン

目の前の女が敵で、能力を使っていると
頭では分かっているのに、堪えようもない感覚が湧き出してくる。

フレンダ 「やめて・・・やめて・・・」ビクンビクン

定規 「私のことが大事なんでしょう?」

定規 「自分の命を投げ出してもいいほどに。」

定規 「仲間を裏切ってもいいほどに。」

定規 「私が望んでるんだから、命も、仲間も、大体無料で売り払ってくれると嬉しいにゃあ♪」

フレンダ 「―――っ!!」ビクビクッ

垣根 「・・・・・・」

垣根 (“心理定規”・・・お前、こんなんだったかな・・・?)

今の彼女は、垣根の知っている彼女とは、だいぶ違ってるように感じた。
見た目も声もDNAも、どこまでも彼女そのものだが、やはり何かが違う。

わかっていたはずだ。
今の“彼女”は、“未元物質”に侵食された別人だと。
本来の彼女は、あのとき、あの場所で、頭の半分を削られて死んだのだと。

暗部に星の数ほどある、ありふれた悲劇。
間に合わなかったヒーローの、残念な失敗談。
ヒーローになり損ね、三流の悪に落ちた男の物語。

“死んだ者は蘇らない”。
そんな常識はクソ喰らえ。

垣根帝督の“未元物質”に、くだらない常識は通用しねえ。

蘇った“彼女”は、腐敗もしなければ記憶も失っていない。
拒絶反応で苦しむこともなく、食事や性嗜好の変化も無い。
完璧だ、パーフェクトだ。ひとつ“常識”を覆した。死者は蘇る。

だが“彼女”は、どこか“垣根帝督”と似てきたような気がする。
残虐で救いがたい自分と、“同じ”になってきた気がする。

垣根自身さえも、以前の自分と別人のような状態だ。
なんだ、だったら“彼女”も、彼女そのものじゃないか。
人間は生きていれば変化していくものだ。
それが自分にも彼女にも訪れただけだ。
暗部で仕事をしていて、歪まない方がおかしい。

・・・そう言い聞かせながらも垣根は、
“彼女”を本名で呼ぶことを頑なに避けていた。



◆ ◆ ◆



同時刻、アビニョン。

テッラ 「優先する―――“上条当麻の延髄までの距離”を下位に、“小麦粉”を上位に。」

上条 「っ!!」ガシッ

咄嗟に右手が射線に入り、小麦粉の弾丸を
ただの小麦粉の塊に変える。

テッラ 「ふーむ、それが“前兆の予知”ですか。大したものですねー。」

あらゆる異能を打ち消す“幻想殺し”だが、
それだけでは“高速”に対応できない。
上条が様々な敵に対応してきたのは、
研ぎ澄まされた“前兆の予知”あってこそだ。

上条 「なるほど、お前の魔術は“未完成”なんだな?」

テッラ 「・・・」ピク

上条 「優等生の親友から教わったことだけど」

上条 「“予習”しておくと“本番”が楽になるってな!」

テッラ 「・・・“禁書目録”ですか。」

上条 「お前の“光の処刑”は10万3000冊にも載ってない。」

上条 「だが、“載ってないだけ”だ。」

上条 「杓子定規に、『知りません、本にも載ってません、だから諦めます』なんて」

上条 「そんな良い子ちゃんぶってやるほど俺は“善人”じゃないぜ。」

上条 「知らないから予測できないって、誰か言ったか? あーん?」

世界を斜めに見下すような目で、
“偽善使い”上条当麻は、テッラを“見下す”。

上条 「お前の“光の処刑”は、一度に一つの順位変更しか出来ず」

上条 「順位を変更するたびに前の変更は上書きされる。」

上条 「そして順位変更できるのは、お前が具体的に認識可能なことに限られる。」

上条 「でなければ“時間”を下位に、自分を上位にして、とっくに決着してるもんな。」

テッラ 「・・・っ」

上条 「そうでなくても、“自分以外の全て”を下位に、“自分”を上位にするだけで」

上条 「俺たちは手も足も出ない。」

上条 「・・・だが、お前にそれは100パーセント出来ない。」

上条 「世界は、お前が思うより何十倍も何百倍も広いからだ。」

インデックスには知識はあっても応用が利かない。
上条は応用は利いても知識が無い。
ならば二人が互いの欠落を埋め合ったら。

インデックスの“知識”と、上条の“頭脳”が交差するとき、
あらかじめ相手の手の内を読んだ上で対決できる、
強くてニューゲームなヒーローが誕生する。

攻略本を片手にゲームをプレイしているようなもの。
チートでチープな無双モードは、
どこか現実味に欠けた虚しさも覚える。

上条 「テッラ、お前が世界の全てを認識していると思い込んで」

上条 「勝手に救いの定義を決めつけて一人で満足するっていうなら」

上条 「そのふざけた幻想は今ここでぶち壊す!」

胸に痛みを覚えながら、上条は啖呵を切る。
世界の全てを知った気になって、
可哀想な人々を“救ってやる”と息巻いていたガキは、
他でもない、自分自身だった。

かつてインデックスを救ったときも、あれは自分の為だった。
勝手に救って、勝手に一人で満足した、偽善者の蛮勇。
何も変わらない。目の前にいる男と、自分とは。

「殴る方も痛い」などと妄言を吐くつもりは更々ないが、
胸に痛みを感じずに、人を殴ったりしたら駄目だと思う。

上条 「手品のタネは割れた。」

上条 「“C文書”を渡してもらおうか。」

何も無意味に喋りまくっていたわけではない。
テッラにプレッシャーをかけると同時に、
“光の処刑”を知らない五和への説明でもある。

五和 「・・・」コク

単純に考えれば、五和の槍が、この場で最も攻撃力が高い。
テッラのギロチンや小麦粉は、優先順位を変更しているだけだ。

そして上条は懐から、黒光りする金属の塊を取り出して、
真っ直ぐテッラに突きつけた。

テッラ 「無粋なものを使いますねー。」

上条 「俺はインデックスに誓ったんだ。」

上条 「必ず地獄の底から引きずり出してやるってな。」

上条 「不思議だな。」

上条 「大事なものを守る為なら、どんなに残酷なことも平気で出来そうだ。」ギィン

テッラ 「・・・っ」

上条 「遅ればせながら、自己紹介させてもらうぜ。」

上条 「学園都市暗部“グループ”のうち、“雑用係”(デルタフォース)所属―――」


上条 「―――“偽善使い”上条当麻だ。」



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