佐久間闇子と奇妙な世界

アクセスカウンタ

zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (三六) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2017/04/15 00:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

◆ ◆ ◆



「麦野は性格キツくて“原子崩し”を所構わず撃ち出す傍迷惑な人格破綻者だけど」
「ああ見えて部下思いの優しい上司って訳よ。」

「滝壺は何考えてるのかよくわからないときがあるけど」
「“アイテム”が居場所だって言ってくれた。」

「絹旗はナマイキなマナイタで変な映画ばっかり観てるけど」
「クソッタレなトラウマをおくびにも出さず健気に生きてるし。」

「黒夜は口は汚いしイルカのぬいぐるみを手放さない変なヤツ」

「浜面は・・・下っ端」

「そしてフレメアは私の可愛い妹」
「私はもう暗部から抜け出せないけど」
「可愛い妹だけは私みたいな女にはさせない」

「結局、私は“アイテム”が大好きって訳よ!」


「・・・・・・そんなこと、訊いてないんだけど。」
「“アイテム”の構成員なんて知ってるし」
「もっと有益な情報を教えてよ、お姉ちゃん♪」


「もう“それ”は飽きたわ。」

「結局、心の距離を縮めたくらいじゃ、記憶も思い出も絆も塗り潰せないって訳。わかったら死んで頂戴♪」


ざらりとした笑顔で、金髪の少女は何かのスイッチを押した。

“イグニス”が全てを吹き飛ばし、後には少女の残骸が散らばった。



- - - - - -



「危ねえ危ねえ。コイツも常識が通用しねえな。」


「どうするの帝督。死んじゃったら情報は引き出せないわよ。」


「それならそれでやりようはある。」

「知ってんだろ。」
「俺の“未元物質”に常識は通用しねえ。」



◆ ◆ ◆



麦野 「真っ二つにされても生きてるとか」

麦野 「テメェはゾンビかよ。」

垣根 「ま、似たようなもんだな。」

麦野 (チッ・・・今度は私が詰めが甘いってか?)

かつて一方通行と戦ったときのことを思い出す。
トドメを刺さなかったことで反撃したが、
あのときとは逆の立場になってしまった。

垣根 「―――逆算、終わるぞ。」

麦野 「・・・っ!」

再び殺人光線が雨あられと降り注ぐ。
それらを回避すれば、今度は凍える風や
青白い稲妻、鋭い棘に毒の煙。

垣根 「こっからは本気で行くぞクソアマ」

垣根 「陵虐の限りを尽くしてやるから楽しみにしとけ。」

丸っきり三流の悪党のセリフだが、
それも垣根が言うと現実味を伴った恐怖がある。

麦野 「クソッ・・・」

麦野 (仕方ねえな)

麦野 (こっちも“本気”を出すか)

今までも決して本気でなかったわけではないが、
そもそも普段から麦野は本能的にセーブをかけている。

全力で撃てば学園都市の何割かが消滅するとまで言われている
“原子崩し”は、それゆえに全力で撃つことを許されない。
(仮に1グラムの電子を撃った場合、落雷2億発分に相当することを
考えれば決して大袈裟な推算ではない)

だが、自分の命が危ないときに、出し惜しみしている場合ではない。
もちろん単純にビームを撃とうというわけではなく
(それは垣根には通用しないだろうし)
“0次元の極点”のリミッターを外そうという話である。


麦野 (演算完了)


その瞬間、垣根の目の前に巨大な“物体”が出現した。


垣根 「がっ・・・」

垣根 「・・・」

すぐさま“未元物質”で切り刻み消滅させるが、
“物体”は後から後から湧いてくる。

垣根 (何が起こってる)

“原子崩し”は電子を操る。
電子しか操れない。

その応用として“0次元の極点”は
距離と無関係に空間移動を使えるが、
こんな奇妙な“物体”を生み出せるはずが―――


垣根 (・・・そうか、これは―――)

垣根 「―――ただの“C”か。」

麦野 「ご名答。流石は第二位、冴えてるにゃーん。」

麦野 「だけど」

麦野 「“ただの”Cだから」

麦野 「わかったところで意味が無い。」

垣根 「・・・っ」

正確に言うと、“物体”それ自体は何でもない。
切り刻み、消滅させてしまえばいいだけだ。

だが、単なる“物体”であるからこそ
それを消す為には相応の“未元物質”を消耗し、
相応の演算を必要とする。

ならば麦野とて相応の演算を必要とし、
精神の疲労が蓄積しているのでは―――と、
そこが話の要だ。

麦野 「どっちが先にくたばるか」

麦野 「“頭脳戦”といこうじゃねえか。」

垣根 「・・・・・・」

“原子崩し”とは、電子を波動と粒子の中間状態で
固定したまま操作する能力である。

量子力学において、粒子は波動の瞬間として振る舞うが、
ならば中間状態を維持するということは、
微分や積分を行っていると言える。

これを突き詰めた理論が、微分を繰り返すことで
次元を0にして、距離に無関係な空間移動を行う
“0次元の極点”である。

しかし微積分によって出来ることは、そんな程度ではない。

移動した後、“原子崩し”による積分で元の数式に戻しているが、
その際に積分定数Cを設定することが出来る。
設定したCを積分すれば、その回数だけ次元を獲得し、
某カーテナのようなことも可能となるのだ。
(あちらは高次元の切断なので厳密には異なる)

物理学的には全く意味不明だが、
数学的には何ひとつおかしなことはない。

そして能力演算は
物理学ではなく数学の領域である。

麦野 「かーきねぇ」

麦野 「さっきまでの威勢はどうしたのかにゃーん?」

垣根 「・・・っ、クソアマ・・・」

無尽蔵の選択肢を備える“未元物質”にも、
それゆえに弱点が存在する。
“物質を生成し操作する”という特性上、
必ず質量に比例した演算を必要とする。

それに対して麦野は、ただ積分するだけでいい。
作業だけなら小学生でも出来るような、
片手間の演算で次々と巨大な“物体”を生み出せる。

質量、電荷、スピン、個数、位置、速度の
全てを細かく設定しなければならない垣根と、
ざっくりした位置情報だけを設定して、後は単純な
整式の微積分作業をすればいいだけの麦野。

その差はすぐにでも、圧倒的な疲労度の違いとなって現れる。

麦野 (といっても)

麦野 (元々の演算能力では負けてる以上)

麦野 (さっさと決着つけねえとコッチが危ないか)

それに加えて、普段より一段階セーブを解除している現在、
いつ暴発して麦野自身が吹き飛んでもおかしくない。

麦野 「直接ブチ込んでェェやるよ!!」

垣根 「―――!?」

認識しない方向から攻撃が飛んできた。

垣根 (何だ今のは)

垣根 (“どこから”飛んできた!?)

垣根 (俺の“未元物質”に、死角など存在し―――)

垣根 (―――いや、そうか)

垣根 「・・・驚いた。そしてムカついた。」

垣根 「三次元“以外”から俺に攻撃してくるとはな!」

積分で三次元の“物体”が作れるなら、そこから更に
次元を重ねて四次元の物体も製作可能。


そして四次元ユークリッド空間では、異種微分構造が無限に存在する。


たとえ垣根が今の数百倍の演算能力を持っていても、
無限の選択肢の中から繰り出される攻撃は予測できない。
どれほどの演算能力を持っていても、
“無限”という数学的事実の前には通用しない。

四次元以外なら、例えば十一次元演算を軸とする
空間移動系の能力なら、垣根は対応できる。
有限の領域なら、演算能力が高い方が勝つのは自明だ。

しかし無限なら、表層的な三次元に与える影響は有限でも、
それを演算解析して相殺する為には無限の演算能力が要る。

無尽蔵と無限は全くの別物。
垣根の“無尽蔵”も、“無限”の前では、ただの有限である。


麦野 「はあーい垣根♪」

麦野 「現代アート風味の面白オブジェのでっきあっがり〜♪」


垣根 「 」


楽しそうに笑う麦野が、九番目以降の多様体から
不可視にして予測不能な“物体”を繰り出し―――

―――そのまま垣根ごと構造の中に押し潰した。


麦野 「楽勝だ、第二位。」





垣根? 「・・・何が、楽勝だって?」


麦野 「―――っ」

麦野 「どうやって避けた?」

麦野 「いや・・・」

確かに手ごたえがあった。
今の一撃は確実に決まったはず。


垣根? 「困るなあ、たかが俺を一人殺したくらいで勝ったと思われちゃ。」

垣根? 「言ったはずだぜ。」

垣根? 「俺の“未元物質”に常識は通用しねえ。」


そこへ現れたのは、もう一人、二人、三人。

倒した一人を含めれば、五人の垣根帝督。


垣根01 「俺の」

垣根02 「“未元物質”に」

垣根03 「常識は」

垣根04 「通用しねえ。」


麦野 「・・・・・・」

絶望が押し寄せてくる。

無限なのは、あくまでも選択肢。
麦野の演算能力は有限だ。

一人を殺すだけでも疲れ切っているのに、
この数を相手にするのは不可能。

麦野 (そっか)

麦野 (やっぱりフレンダは裏切ってなかったんだ。)

どうして麦野の位置を突き止めたのか。
何のことはない。ただの人海戦術だ。

“未元物質”で無数の“自分”を複製した垣根は、
ただ虱潰しに探し回っただけだった。

垣根 「絶望したか、コラ。」

麦野 「ああ・・・」

しかし絶望の中で麦野は、笑っていた。

麦野 (仲間を信じて良かった。)


次の瞬間、多重の殺人光線が再び周囲を焦土に変えた。



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
禁書SS 目録
自作まとめ ...続きを見る
佐久間闇子と奇妙な世界
2017/04/15 00:01

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
【とある】 第一位・御坂美琴 (三六) 【パラレル】 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる