佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   Act 148 色恋連邦(Y)

<<   作成日時 : 2018/05/11 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



<ラブリー1号>

各プレイヤーは恋人1名を選択し、制限時間内に絶頂させた回数を競う。
単純だが、バイオリズムなども関係する奥深いゲームである。
闇のゲームなので、審判は闇によって正しく判定される。
全年齢向け版の「ラブリー二号」も存在する。



◆ ◆ ◆



「始めようか、闇のゲームを。・・・朋樹、おいで。」

「月人! なに考えてんだよ!?」

単眼の少年が、顔を真っ赤にして抗議する。
さっきの怒りと比べれば、本気の怒りでないことが一目瞭然だ。

そういうところ、やっぱり飛白さんと親子だよ。可愛いなあ。
だけど僕は、呑気な感想を抱いていられない。
童貞である僕に、このゲームは荷が重すぎる。

「どうした、モリン・モリン。お前には相手がいないのか?」

「・・・っ」

「だとしたら、お笑い種だな。どれほど崇高な志も、人を愛せない者が唱えれば、空念仏でしかない。独身主義は大いに結構だが、本気で伴侶を探せない奴は、本気で世界を変えられない。空想の世界に閉じ籠もっている臆病者は、いずれ現実から逃げ出す。自分自身を変えようともせず、血の通わぬ綺麗事ばかり。そこに心はあるのか? お前は本当に世界を変えることが出来るのか? 答えてみろ!モリン・モリン!」

・・・・・・・・・・・・畜生。

言いたいことはある。反論したいことはある。
だけど、いざ間山さんを前にして、どうしてか言葉が出てこない。
一言一句の重みが、枷となって僕を縛る。乾いた叫びが空咳となって宙に舞う。
罅割れた空気が痛みとなって舌と頬に突き刺さる。酸っぱい吐き気が涙と共に込みあげてくる。

これが現実か。現実の味か。

わかっていたことだ。僕は何者でもない。モリンフェン様を敬愛する、凡庸な群衆の1人に過ぎない。
本物の変態である間山さんから見れば、変態の真似事に興じている僕の姿は、さぞかし腹立たしいだろう。
言いたいことはある。反論したいことはある。僕の好きな人々を悪く言うなと、そういう反論は出来る。
だけど間山さんの言葉は、僕自身に向けられたものだ。他の誰でもない、矮小な爪の垢である僕に。

僕は何者でもないあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ





―――ムー君、また思い詰めているの?



すんでのところで国会議事堂から飛び降り自殺をしようとした僕の耳に、懐かしい声が響いてきた。

「ヒロコちゃん!? ヒロコちゃんが何故ここに!?」

―――やだな、わたしは最初からムー君の傍にいるのに、何故ってこっちが訊きたいよ?

―――くひっ、まったくだぜぇ・・・貴様というテメェは、あちしたちがいねぇとダメだよなァ?

なんということだ。この土壇場で僕の妄想力は更なる進化を遂げてしまったというのか。
妄想の世界に閉じ籠もっていると言われた屈辱に、僕の魂が抗議の産声をあげたのか。

この4年間、僕は毎日ヒロコちゃんを想ってオナニーをしてきた。
最初の頃は記憶を頼りにしていたけれど、次第に彼女が目の前にいるように感じられてきた。
それが鮮明になってきたのは、3年近くが経った頃だった。
“幽霊”だった彼女は、まるで生きてるかのように振る舞い始めた。
はっきりと彼女の皮膚の感触と体温、吐息まで感じられるようになっていた。

そして今、彼女たちは言葉を話すようにまでなった。

僕も捨てたものではない。
もう迷わない。

「まったくホント、僕はヒロコちゃんがいないとダメダメですね。間山さん、あなたの言う通りだ。人を愛せない者には世界を愛せない。だけど僕には、愛する人がいる。」

ありがとうございますモリンフェン様!

「・・・・・・?」

「ヒロコちゃん、見ていてね。この戦いが終わったら、結婚しよう。」

―――よ、喜んで!

―――くひっ、それが死亡フラグにならないことを祈るぜぇ?

―――つまり燈炉子ちゃんもYESってことだよね?

―――バカ、わざわざ解説しなくていいんだよ!

「大丈夫ですよ、ヒロコちゃんの気持ちは、ちゃんとわかっていますから。」




「ええと・・・君は、誰と話しているんだい?」

「え? ヒロコちゃんに決まってるじゃないですか。僕の隣にいる、赤いツインテールの女の子ですよ。」

はにかんだ顔で胸を押さえながら、ヒロコちゃんは全裸で微笑んでいる。
隠しきれない豊かな胸は、モリンフェン様のように突起している豊穣の神話。
あふれんばかりの笑顔で、太陽がモリンフェン様のように輝いて元気いっぱい。
まったく幸せな光景だ。さっきまでの僕は間違っていた。
こんな幸せな現実から逃げようとしていたなんて、どうかしていたとしか思えない。

「ええと・・・君の近くには、赤い髪の人はいないと思うんだが・・・」

「・・・?」

おかしい・・・間山さんにはヒロコちゃんが見えないのだろうか?
ソリッドビジョンシステムが無くても、デュエリストは普通にデュエルの光景が知覚できる。
突き詰めれば文字だけでも、妄想力で心のソリッドビジョンを解放できるはずなのに。

もしかして間山さんはデュエリストではないのかもしれない。
だから空想を軽んじるようなことが平気で言えるんだ。
正体がわかれば何てことはない。この勝負は負けるわけにはいかない。

「・・・まあいい。とにかくパートナーをイかせなければ勝てないんだ。肉体が無ければカウントは0だ。」

「そんな脅しに僕が屈すると思っているんですか? 僕が恐れるのは、このときだけでもヒロコちゃん以外を恋人にして、ヒロコちゃんを傷つけてしまうことです。あなたなんて恐くありませんね!」

―――くひっ、流石むむたん、このゲームの肝をわかってるじゃねぇの。

―――わたしなら大丈夫だよ! こんなことで傷ついたりしない!

「では・・・」

僕が選択をしようとしたとき、何故か一美さんと飛白さんの間に壮絶な緊張感が漂っていた。
いや、何故もないだろう。この状況が異常すぎて麻痺しているけど、普通に考えて緊張の瞬間だ。


「飛白さん!」


「は、はいっ!」

名前を呼ばれただけなのに、飛白さんはビクッと震えて、しかも口調が変わっていた。
見れば一美さんも悲しげな、恨みがましいような、胡乱な目で僕を見ている。

あ・・・これは、もしかして・・・とんでもない誤解をされているのでは・・・?

「《魂の牢獄》から月島泰斗さんを出してください!」

慌てて僕は先を告げた。
すると飛白さんも一美さんも、呆気に取られたような顔で言葉を失った。

やっぱりそうか。ショックだ。流石にショックだ。
僕のことを、女の子を公衆の面前で辱めるような、鬼畜野郎だと思っていたなんて!
そんな月島泰斗さんみたいな外道じゃないのに!

そりゃあ、闇のデュエルで服を透けさせたり、飛白さんを白濁で汚したことはあったけどさ!
反戦平和を唱えて、全裸で街中を練り歩かせたりしたけどさ!

・・・・・・

・・・・・・・・・
・・・

・・・・・・うん、言い訳できない。自業自得だ。日頃の行いが悪すぎる。
ラッキースケベと称するには僕の意思が入り込みすぎているよね!

またしても僕は、モリンフェン様に、日頃の行いの大切さを教えられた。
いつだってモリンフェン様は僕に大事なことを教えてくれる、厳しくて優しい師匠なんだ。


「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン! ぱうっ! 私を呼んだのは誰? ウキッ!」

危険人物がカードから全裸で羽ばたいた。
こんな危険人物を解き放つなんて、緊張して当然だと思っていたら、警戒されていたのは僕の方だという衝撃の事実が明かされたのは、流石に落ち込むけど・・・落ち込むのは後だ。

「月島泰斗さん、このゲームの間だけ、僕の恋人になってくれませんか?」

心が痛い。

「なんと! むむたんが私を!? 喜んで!」

泰斗さんは、ギリシャ彫刻のようにポーズを決めて喜びを露わにした。
それを見ながら僕は、きりきりと胸が痛んでいた。

カノン先生は僕のことを好きだ。
それは竜堂眸への狂愛の、欠片のような好意に過ぎないけれど、れっきとした好意でもある。

そして泰斗さんは、カノン先生の分身のような存在。
筋骨隆々とした男性の姿をしていても、僕に好意を抱いているのは同じだろう。

彼の想いを、ただゲームに勝つ為だけに利用する。自分の醜悪さに吐き気がする。
鬼畜野郎という評価は、誤解でも何でもなく、その通りか・・・。


「それでは間山さん、ラブリー1号を始めましょう。制限時間は5分間。」

「ああ、その間に伴侶を出来るだけ多くイかせた方が勝ちだ。」

間山さんは既に、嫌がる朋樹くんを膝に抱いて、彼の尻穴にペニスを宛がっていた。
僕は空を見上げて深呼吸ひとつ、気持ちを整えて、泰斗さんのビール瓶みたいなペニスを握った。


「「ラブリー!」」


モリン・モリン:PX0
間山月人:PX0



(※PX・・・パートナー・エクスタシーの略)




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