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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (七二) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2018/07/07 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



今の自分は、かつての自分と同じだろうか?

記憶を失っているわけではない。
むしろ常人よりも鮮明に、取捨選択的にさえ記憶を整理できる。

それでも今の自分が、本来あるべき姿と乖離し続けているのは確かだ。
人間は変わっていくものだとか、そういう常套句ではない。
これは誰の紡いでいる物語なのかと、ふと考える。


私が私である為に、アイツを―――・・・



◆ ◆ ◆



第三次世界大戦は、フィアンマの死によって終焉を迎えた。

ブーストされた佐天の能力と、アウレオルスの魔術によって
フィアンマ自身は復活したが、
アウレオルスの認識内に“聖なる右”は存在せず、
復活したフィアンマは“聖なる右”を永遠に失った。

フィアンマ 「さてと」

フィアンマ 「これから俺様は何をしようかな。」

フィアンマ 「せいぜい世界でも見て回るとするか。」

あっけらかんとした様子は、
彼の異常性が幾許も衰えてないことを示していた。

いずれ再び、途轍もないことを行うのかもしれない。
しかしそれが必ずしも、悪意に塗れているとは限らないと思わされる、
付き物が落ちた笑顔だった。

フィアンマ 「お前らはどうする?」

アックア 「元より根無し草なのである。傭兵崩れのゴロツキは、次の戦場に行くのである。」

テッラ 「私は学園都市に残りましょうかねー。文化交流は楽しいですねー。」

ヴェント 「私は・・・」

装飾を落として、ごく普通の町娘の恰好になったヴェントは
逆恨みの復讐の他に生きる目標が無かったことを
今更ながらに思い知った。

御坂 「ヴェント、ありがと。」

ヴェント 「あん?」

御坂 「ぶっちゃけ私が勝てたのって、アンタのおかげなのよね。」

ヴェント 「はあ・・・? 要領を得るように話してもらえマセン?」

御坂 「あー、お風呂での話よ。」

御坂 「全身の体毛を剃り落としたアンタが」

御坂 「光を反射して輝いてるのを見て」

御坂 「そういえば十字教って、神様とやらが“光あれ”って言ったのが始まりだったのを思い出したのよ。」

ヴェント 「 」

フィアンマ 「ハハッ、そいつは俺様の計算外だったな。」

御坂 「麦野さんの能力で操れるのは電子だし、垣根さんはこの世界に存在しない物質しか作り出せない。」

御坂 「私が勝てたのは単純に、相性の問題と、ちょっとした発想のおかげってこと。」

フィアンマ 「それで御坂美琴、お前は神にでもなるつもりか?」

御坂 「まっさかー、私のガラじゃないわよ。」

御坂 「そんな幻想は、当麻に殺される為にあるものだから。」



- - - - - -



各地で暴れていた便乗者たちも、
やがて鎮圧されていった。

休養を取った能力者たちが復帰してからは
暴れている方が可哀想になるくらい一方的に。

オリジナルのフィアンマには後れを取ったのは、
演算力のガス欠が大きかったに過ぎないと思わされるほどの
目覚ましい活躍。

これにより学園都市の知名度は、全世界的に広まり、
統括理事長アレイスター=クロウリーの名声は
魔術業界の裏切者としての悪名を振り払い、
ようやく人間としての栄誉を得ることが出来た。



世論の流れを受けて、暗部組織は解体された。

とはいえ“アイテム”にとっては実質、特に変化したわけでもない。
凱旋した翌日には、学園都市の不穏分子を始末していた。
結局これが性に合ってるのだろう。

フレンダ 「居場所を見つけようとして、ここが自分の居場所だったなんて、よくあるって訳よ!」

強いて言えば、本格的にアイドル稼業を営むようになったことだろうか。
マネージャーとして浜面仕上を雇い、相変わらず雑用として使う日々。
やがてアイドルユニット“アイテム”は、ミリオンセラーを記録した。

電話の女が言った冗句が、
今となっては予言めいたものになっていたが、
その彼女は暗部解体と同時に行方を晦ましていた。
死んでしまったのでなければ、
どこかで“アイテム”の活躍を見ていることだろう。


無変化といえば、“グループ”も同じく、
元の学生生活に戻っただけだ。

藍花は相変わらず試験で手を抜いて子萌の補修を受け、
17600号の電撃を浴びて性的快楽を得ていた。

青ピ 「ゴホウビやで!」

土御門は義妹を孕ませて、親に殴られながらも引き下がらず、
卒業後に籍を入れる格好で落ち着いた。

舞夏 「やっぱりこれ以上素敵な夢ってないよなー」アッウゴイタ

鈴科は数多の研究機関からの誘いを断り、木原数多の妻として、
及び14510号を含めた数名の“妹達”の夫として、高校生活を送る。
(新居には中身の減らない“幸せの冷蔵庫”が存在する)

一方 「どォしてこうなった・・・?」(白目

エツァリ 「なるべくしてなってます。」

病理 「人生“諦め”が肝心ですよ。」ドロリ

一方 「いや諦めとかいうンじゃなく、この状況はなーンなーンですかァ?」

オッレルス 「この世で最も恐ろしいのは、“説明できない状況”だ。」ドヤァ

オッレルス 「どのような理由や意図が介在し、どのような過程を辿ったかも分からず」

オッレルス 「結果だけが存在する。」

一方 「オマエも復活してンのかよ・・・。」

上条は相変わらず、通り雨に打たれたり、銃で撃たれたりと
不幸が重なりながらも、些細なことだと割り切る毎日。

上条 「幸福だーーーーーっ!!」

いつも通りの日常が、戻ってきていた。


“スクール”解散後、カブトムシ05と心理定規は結婚した。
(鈴科の件よろしく、学園都市では十字教のような同性婚への制限は無い)

弓箭は枝垂桜学園で人気を博し、フレンダに紹介された学生と恋仲になる。
暗部からは完全に足を洗い、普通の学生に戻っていった。

失恋した誉望は、“自分だけの現実”が進化し、
念動力の応用性を木原数多に見込まれることになる。


“メンバー”と“ブロック”は、
復活したはいいが、元より利害関係のみであり、
つるむ理由もなく解散していった。

もちろん、ショチトルはエツァリや佐天と
たまに会ったりしている。

査楽も相変わらず藍花と
淫夢インディアンポーカー交換会に興じているようだ。


第三次世界大戦を経て、成長した能力者は多い。

滝壺理后は、体晶なしでも“能力追跡”を常時稼働できるまでになり、
かつて学園個人を期待された素養を、部分的に開花させた。
これにより能力開発を受ければ、誰でも努力次第で
レベル4に到達し得るまでに、理論付けられた。

すなわち“素養格付”を否定するのではなく、
更新し、書き換えてしまったのである。

白井黒子は、演算精密性を鍛え、加えて発想の徹底から
運動量の選択的な間引きと
その場に転移する瞬間最強防御力を獲得し、
結標淡希と並んで、レベル5候補のトップリストに躍り出た。

絹旗最愛と黒夜海鳥は、同期して“黒翼”を発現したときの
戦闘力はレベル5相当であるにせよ、
個々の研究利益、応用性においては至らなかった。

誉望万化は失恋の痛手を発条に、
木原数多と菱形光比古の指導を受けて、レベル5の第八位となる。
削板軍覇が自分の力を理解できていなければ七位、
藍花悦が応用性を鍛えていなければ、第六位になっていたほどの性能。
ありふれた能力でレベル5になったのは、これで二人目だ。

佐天涙子は、レベル5にはなれなかった。
演算能力のブーストあってこそ発揮される
彼女の“自分だけの現実”は、日常においては
もはや発揮されることもないまま
本人にさえ忘れ去られていくだろう。

―――無能でも無力でもないという、確かな誇りだけを胸に残して。



◆ ◆ ◆



上条当麻とは何者だったのだろうか?

かつてアレイスター=クロウリーは述べたことがある。
学園都市が無法と暴力の街であるのは、上条の性質に合わせたからである、と。

それも一つの「見方」であるのかもしれない。
納得するかしないかではなく、そういう見方をする人もいる、ということだ。

気に食わないことには片っ端から突っかかっていき、目に付いた女は片っ端から奪っていく。
暴力抜きで解決し得る問題でも、解決手段を暴力に求め、説教を伴って屈服させる、歪んだ正義感。
平和を拡大するのではなく、平和を守る側。悲惨な境遇にいる弱者のことなど、これっぽっちも考えてない。
訴えを暴力で押し潰し、テロリストのレトリックと蔑む、ヘドが出るほど濁りきった価値観。

これも過不足なく上条当麻という人間の真実である。
彼はヒーローであると同時に、俗悪で暴力的な下衆でもある。


だが、それは「一つの」見方に過ぎないことも記しておこう。

軽んじられるべきでないのと同様に、いっとう優先される考え方でもない。
彼に対する「見方」は、賽の目のように、極めて平等に近しい。

わかりやすく言うならば、今挙げたような俗悪さは、この物語に登場する、およそ全ての者に共通する。
だから許されるとか、そういうことを言いたいわけではない。
女を奪うことのみを取り沙汰する、その思考そのものが、女を馬鹿にしている。

あるいは、「誰か」の嫉妬であるか―――



◆ ◆ ◆



??? 「ここまで来たか。」

真っ暗な空間で、魔神の少女は
誰に対するでもなく呟いた。

御坂 「やっほー、アンタがオティヌスってヤツ?」

御坂 「随分えげつないこと考えるのねー。」

オティヌス 「正確に言えば私はオティヌス自身の“可能性”だ。」

オティヌス 「唯一無二など俗悪な修辞であるのは、私自身も例外ではない。」

御坂 「ふーん」

御坂 「まあいいわ、せっかく大団円を迎えたことだし」

御坂 「さくっとアンタをブッ飛ばして、この位相を固定するとしますか。」

オティヌス 「“固定”?」

オティヌス 「“切り離す”の間違いだろう。」

オティヌス 「まあ、どちらでも構わない。」

オティヌス 「神に人が勝てる道理は無い。」

御坂 「んー、確かにシングルスじゃ厳しいかもね。」

御坂 「なにせアンタは、十字教の枠内に存在しない。」

御坂 「だけど私には」


御坂 「“私たち”には」


もう一人の少女が、“歩く教会”を纏って


インデックス 「負けられない理由があるんだよ。」


魔神に拮抗する力を湛えて言った。



インデックス 「これは、私が始めた物語だから」




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