亡霊たちへの鎮魂歌 77

(ソロウが・・・希揃が、あたしのことを・・・?)
告白されるまで気付けなかった。
気付いてもよさそうなものだった。
どれほど年齢が離れたところで、恋愛対象にならないルールは無い。
まして黒月真由良は、10代で時間が止まったかのように瑞々しい外見だ。惚れるなという方が無理である。
(は、ははっ、歴戦の殺し屋も恋愛に関しては小娘かっ!)
泣きそうになりながら、黒月真由良は震えた。
そこへ宮白希揃の追い討ちが、それも決定的な刃が来る。
「俺は“ムーン・シューター”が憎い! 奴さえいなければ母さんは死なずに済んだ! 優しかった母さんは、今でも冷たくならずに笑っていたはずだった! 父さんも母さんを愛していた! 真由良に惚れることはなかった!」
恨んでいないというのは嘘だった。
憎んでいないというのは嘘だった。
恋心と同じく、巧妙に隠されていた。
母親を殺されたことは、直接の責任が“ムーン・シューター”にあるわけではない。理屈は通っている。理屈は。
だから信じてしまった。その嘘を信じてしまった。甘かった。甘すぎた。
(どこから、おかしくなっていた?)
瓜巣希美が死ななければ、黒月真由良が宮白親子と出会うこともなかったのだ。
“ムーン・シューター”の正体こそ、ここにいる黒月真由良で、彼女は自分のせいでカタギの人が死んだから、彼らの前に現れたのだから。
(許されないの?)
(運命は、わたしを許さないの?)
罪悪感が押し寄せてくる。
波のように、果てしなく。
頭が白くなっていく。
世界が揺れる。
回る。
回る。
若い熱が離れない。
壁の時計。
天井の染み。
床の感触。
汗。
白いワンピース。
指。
それからの記憶が途切れている。

悲劇ハ続ク



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

2014年11月17日 22:08
火剣「真由良はソロウの気持ちに気づかなかったのか」
コング「鈍感娘は罪深い」
ゴリーレッド「十代で時間が止まったかのような瑞々しい外見」
コング「テーガン・・・は瑞々しいというイメージじゃないか。じゃあ、やはり火の鳥か」
ゴリーレッド「その話はいい」
コング「息子たちも半裸。若い母も半裸。逃げ道のない洞窟。若い母は常に襲われないように警戒しt」
ゴリーレッド「バックドロップ!」
コング「待てえええ!」
火剣「稀代の殺し屋も恋愛にはうといか」
ゴリーレッド「プレイと恋愛は違うからな」
コング「運命は、わたしを許さない」
火剣「悲劇ハ続ク。記憶が途切れている?」
コング「ぐふふふ。仕方ない。解説しよう」
ゴリーレッド「外れていたらタバスコを一気飲み」
コング「的中するさ。罪悪感が押し寄せてくるとは、ソロウに押し倒されたってことだ」
ゴリーレッド「ほう・・・れんそう」
コング「波のように、果たしなく。頭が白くなっていく。白髪のことじゃないよん」
火剣「わかってる」
コング「世界が揺れる。回る。回る。これがアレ以外の比喩に見えるか?」
ゴリーレッド「うーん」
コング「若い熱が離れない。まさにシドニイ・シェルダンばりのアレの描写!」
火剣「壁の時計。天井の染み。床の感触は?」
コング「真由良が見ている景色だ。あ、床に押し倒されたのか」
ゴリーレッド「汗。白いワンピース」
コング「汗はかくだろう。白いワンピースは床に落ちている。すなわち、真由良はスッポンポン!」
火剣「指は」
ゴリーレッド「言わなくていい」
コング「指でいちばん困るところをs」
ゴリーレッド「指折り!」
コング「ぎゃあああ!」
2014年11月17日 22:58
>火剣さん
ずっと息子として見ていただけに、男としての希揃に気付かなかった真由良。自分の恋愛には本当に疎いです。
そして、そのツケが回ってきたのが今。床に押し倒されて、真由良は。

維澄「コングの推理は。」
佐久間「だいたい合ってる。」
山田「うむむ。」
佐久間「指も真由良の見ている光景だ。力なく床にコトンと落ちた指を、虚ろな眼が見つめている。」
八武「情熱の業火が豪雨を呼んだ。あまりに大きな音なので、かえって静かだ。」
神邪「どうして真由良さんは気付けなかったのでしょうか。」
佐久間「ソロウの隠蔽が巧みだというのもあるが、そもそも自分が75歳だという意識は常に持っているから。38歳の渚とだって、かなり年下と付き合ってる感覚。まして20歳は。」
維澄「しかし育生も25歳だけど。」
八武「プレイと恋愛は違うのだよ。」
佐久間「義理の息子と母子相姦プレイをする気は、流石の真由良にも無かった。」
山田「望んでいるのは温かい家庭だからな・・。」
佐久間「ある意味で母子相姦も温かいが。」
山田「お前の発言に心が冷えるぞ。」
神邪「むしろ熱いくらいでした。」
八武「羨ましい。」
佐久間「まあ相姦は置いても、母に抱かれるのは温かいものだ。」
維澄「羨ましい。」
山田「ソロウも恋愛だけの意味ではなかったのかな。」
佐久間「恋愛だけの意味なら暴走しなかったかもしれない。レディ・ギネヴィアくらいで留まっていただろう。」
八武「若々しい母親は罪深いものよ。」
2014年11月26日 21:05
ルビデ「甘い、甘い。チョコレートのように甘い。人間は逆恨みが得意な生き物だ。何かのせいにしないと心が保てない弱い生き物だ。それが、大切な母親を失い、父親は生気の抜けた人形のように成り下がった原因がムーンシューターならば恨んで当然!憎んで当然!恨んでないって言ってたって?じゃあ何故、ムーンシューターを調べて回る?その情熱は、原動力は何だ?決まっている。人間は負の感情でよく動く。恨みしかないだろう。それと人間はよく嘘を吐く生き物でもある。」
プリスター「ついに爆発!嫉妬の炎がメーラメラ!家事よ、火災よ、昼ドラ展開よー!そう、人間は自分の欲望に忠実でなければならないのよ。社会とか、世間体とかで変に抑えるから更なる暴走を生むの。自然が一番、本能が一番。今、希揃は人間として本来の姿を取り戻した!」
白龍「ここを悪魔の宴の場にするんじゃない。」
ルビデ「へっへっへっ…。人殺しに手を染めた奴が幸せになることを、お天道様が許しても悪魔の我々が許さない!」
プリスター「こっちに来て一緒に汚れましょうよ。どうせ、血塗られた道なんだし。楽しい方がいいでしょ。仲間は逃がさない!」
白龍「気遣いマイナス100%かぁ!破壊光線!!!!」
ルビデ&プリスター「ぎゃああああああああ!!!」
2014年11月26日 22:36
>ルビデ&プリスターさん
チョコレートほどではなくても、カルーアミルクほどには甘かったでしょう。実際のところは、希揃が“母親の仇として”恨んでいるのは、実行犯の連中なのです。
ある意味これも逆恨みなのですが、真由良を父親に取られたことが、ムーン・シューターを恨む動機の核心。このあたりは複雑な心理だと思います。もしもマイナス感情だけで動いていたら、とっくに渚や真由良に見抜かれて、もっと早くに火種が消しとめられていた可能性が高いです。

佐久間「プラスの感情も、ぶっ飛んだ行動に繋がることがある。」
山田「本当にな・・・。」
佐久間「私も山田を愛してやまないのだが、それゆえに暴走してしまうことも少なくない。」
山田「暴走以外の求愛行動があっただろうか。」
佐久間「たくさんあったわ! 鈍い貴様が気付かないだけじゃ!」
維澄「真由良も鈍いと言えば鈍い。」
神邪「しかし鈍い方が好かれますよね。僕は人からどう思われてるか敏感に察するのですが、それも嫌われるタイプであることを示しているのでしょう。」
維澄「そうとも限らないよ。私は無神経な人の方が嫌い。」
八武「ここは一歩進んで、S開眼! 好かれないなら、狩ればいいじゃない。普通から疎外された人間は、普通でない幸せを求めるのだよ。」
佐久間「希揃も思いをぶつけられて本望だろう。このまま思いを抑圧し続け、もっと歪んだ形で爆発する方が、彼にとっては不幸なことだ。」

この記事へのトラックバック

2019年11月
               1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去ログ

テーマ別記事

最近の記事

最近のコメント

QRコード