闇市ふたたび

まったくもって最強の女だ・・・と、八武死根也は思う。つくづく思う。
そして自分にとって最高の友人でもある。いや、悪友か。
仕えていた主たる、闇の支配者ミクモウの、断片にして端末。
佐久間闇子。あるいは佐久間闇市。性別で名前を変えているのは、拘りというより執着の薄さだ。
尤も本人に言わせれば、愛すべき山田太郎の他は、おしなべて無関心とのことだが・・・。

「もう壊れてしまったか。死根也、処理は任せるぞ。」

目の前の光景を見ていると、あながち冗談でもないと思えてくる。
事切れた物体は、佐久間に全てを捧げ尽くした女の成れの果てだ。
解剖したところ、小さな胎児が、まだ生きていたが、佐久間はスナック菓子でも食べるように、ひょいと摘んで口の中へ放り込んだ。健康な白い歯が、ざくりと小人を磨り潰す。

「俺の養分になるまで流れなかったのは褒めてやろう。」
「つくづく君は恐ろしいねぃ。」
「悪い冗談だな。お前も他人の妻や恋人を寝取るのは習い性のくせに。」
「私は女に恋人を殺させるような真似はしないよ。」
「人聞きの悪い。そいつは恋人と過ごす未来よりも、俺の消耗品になることを選択しただけだ。」

女のときも容赦という概念が感じられない、残忍な悪女だが、八武にとっては半分以上、可愛いものだ。
残る半分は八武でさえ寒気を覚えることもあるが、男のときは、闇市は、それが多くを占める。

この死体は、ほんの1か月前までは、恋人との結婚を間近に控えた、可憐な少女だった。
幼馴染と紆余曲折を経て結ばれ、妊娠が判明したことで、周囲を説得しながら、円満に家庭を築く直前。
佐久間闇市という、地獄から来た悪夢も可愛い、おぞましい怪物が現れた。

「個人の選択は尊重されるべきだし、命令するのは性に合わない。お前も嫌なら、俺に従わなくていいんだぜ。」
「しかし君にも、いつでも私を殺す権利がある。暴力という、この世で最強の権利がねぃ。」
「ついでにカネも付け加えておけ。」
「美貌と技巧と、狂った頭脳も列挙しておくよ。君は本当に、奇蹟のような魔性だねぃ。」

可憐な少女は、佐久間に攫われた。泣き叫びながら犯される光景を、八武は横で見ていた。
全身から拒絶を発し、犯されても屈しない少女に、愛の強さを見たものだった。

しかしそれから10日間、10年を1日に圧縮したようなセックスが、ひっきりなしに続いたという。
十数年の絆も、百年分の性愛の前では、脆いどころの話ではなかった。
少女は恋人を毒殺し、思い出の品の数々を、少しでも金銭になりそうなものは全て売り払い、佐久間に捧げた。
あらかじめ実家や恋人の家からも、可能な限り金銭価値を拾い、それらも佐久間のものになった。
微笑ましいラブストーリーは、ひと夏のアバンチュールを経てサスペンスと化し、借金に塗れた人々が残された。

「そうだ死根也、これとは別に、16歳を迎える少女の誕生祝をしてやろうと思うが、見ていくか?」

好奇心が導く答えは、YESの一択だった。



- - - - - -



ギロチンの穴に、ミニスカートの少女が首を突っ込んでいた。
ただし拘束されているわけではない。出ようと思えば、いつでも出ることが出来る。
しかし少女に逃げる気が無いのは明白だった。

「準備しているとは感心だが、あまり濡れてないな。」
「ごめんなさい! いつもみたいに、お尻を打って、濡らしてください!」
「俺は命令されるのが嫌いだ。」
「あうっ! ごめんなさい・・・濡らしますから、嫌わないで・・・嫌わないで・・・!」

よく調教してあると、八武は思った。
不安、悲しみ、孤独感で、みるみるうちに少女の下着は色を変える。
佐久間に剥ぎ取られると、予想通りに出来あがっていた。

「さて、それでは本日のゲストを披露しよう。カーテン、オープン。」

ガラスの向こうで、少女の親と思しき男女が、蒼白な顔で立っていた。
防音ガラスなのだろう、ドンドンと叩く音だけが、わずかに聞こえるのみだ。
必死の形相から、何を叫んでいるかは、おおよそ見当がつくが・・・。

「あァ死根也、安心しろ。こっちの声は全て向こうに届くようになってるし、あの部屋は録音してあるから、聴きたければ後でテープをやろう。」
「くれるものなら戴こう。処分料金は必要ないよ。」

次から次へと、おぞましいことを考える男だと、八武は戦慄した。その顔は笑みが滲んでいた。

「お父さん、お母さん、これから私は、闇市様に誕生日を祝ってもらいまーす。おりこうドスケベな私のオマコは、闇市様に可愛がられる為に濡れ濡れホッカホカでーす。アヘ顔アクメ準備オーケー!」

年端もいかない我が子が、あっけらかんと淫語を発する光景を、どのような気持ちで見ているのだろう。
自分からすれば、あの親たちも子供世代だ。なんとも奇妙な感覚に囚われる。

「あひゃああああんんっ!! 闇市様のチンポ最高! 私のオマコぴくぴくって喜んでる! 闇市様を楽しませるための存在なのに、だらしない玩具でごめんなさい! ああっ、イクッ、イクッ! 闇市様に突かれるごとにオマコ幸せになりゅうう! 幸せすぎて恐いよぉおおお!!」

もはや少女は、あらゆる人権を放棄した、人の形をした肉だった。
セックス内容を自ら解説することで興奮し、陵辱されることを幸福とする、ラブマシーン。

1分が数時間にも感じられるであろう地獄の沙汰が、少女が登りつめるまで続く。
彼女の手には、紐が握られている。手を離せば、ギロチンの刃が彼女の首へ落ちる。

「あっあっあっ来ます来ちゃいます! どすけべオマコから全身にアクメくるーーーっ!! もうダメなのっ、幸せすぎてダメなのっ! 生まれてきて幸せです! 闇市様の玩具になる為に生まれて最高っ! お父さんっ、お母さんっ、今まで育ててくれてありがとうございましたっ! 絶頂アクメと同時に私は、ギロチンで首を斬られることで、ネクロオマコを闇市様にプレゼントします! 死ぬときだけの、一生に一度のオマコを、闇市様に捧げちゃいまーす

それからはスローモーションのような景色だった。
興奮が集中力となって、体感時間が拡張されている。

「闇市様のチンポ膨らんでりゅ! 私の淫乱オマコ壊れちゃう! ああーーーっ、壊してください! オマコ壊してください! 中出しでイっちゃうううう

絶頂したままの顔で、少女の首は胴体から離れた。
鮮血が噴き出し、ガラスを真紅に染めた。

親たちは狂い死にしていた。



- - - - - -



「つくづく君は容赦のないことだねぃ。」

八武は少女の生首を拾い、佐久間に向かい合った。

「ネクロフィリアが言うセリフか?」

八武の怒張したペニスは、少女の血で塗れていた。
胴体の、血の滴る切断面に突っ込んだせいだ。

「私は自分に危害を加えない存在に安心感を覚えるだけだよ。生きてる人間は、どうも怖くてねぃ。」

レシプロピストンの末に、八武は軽く呻きを発して身を震わせた。
満たされた性欲が、溜息となって昇華される。

赤い血と、白い血液が混ざり合って、ピンク色の液体が泡を立てながら八武の脚を伝っていった。




   闇市ふたたび 了

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