疲れ切った脳は別人

「これだ!」と、記事の内容を考えると、
自動的に頭の中で文章が構築されていくが、
いざ書く段になると疲れ切って「また今度」となり、
そのうちタイミングを逃して書きそびれる、
という経験が誰しもあると思います。

特に今現在は秋雨前線と低気圧のコンボで
うっかりすると悪想念に引きずられたり、
そうでなくても、どっちらけの思考になりがち。
頭の中で書いた記事ストックは4本あるのに、
それを書くのが億劫になってしまうと、
余計に落ち込みます。


とはいえ、そういうときに以前に脳内執筆したものを
引っ張り出してくることが出来ると、
散っていた思考力が戻ってくるので、
コツコツした努力は生きる糧なのですねぇ・・・。

てなわけで、遅ればせながら囲碁名人戦45期の
途中経過について思うこと。

星だけ見たら、予想し得る状況なのですが、
その内実は一筋縄ではいかない模様で、
思っていたのとは違う意味で落ち着かない。


1局目の細かい解説が新聞で連載中ですが、
確かにカケツギだ、そこは―――言われたら分かる。
アッキーは言われるまで気付かなかったですが、
言われたら分かるということは、プロなら当然となる。
実際、見ていたプロは一様に疑問を呈したとか。

リードを広げられ続け、井山完勝か・・・という流れで、
終盤近くの「こんなん分からんわ!」ってくらいの失着。
それを逆から当てを打った芝野名人が凄かった。
投げやりにならず、最後まで執念深く待っていた。
ほとんど出ないようなものを我慢して待っていた。

・・・だが、それでも届かない。

迫りくる秒読みの中で、双方にポカ無く激闘の末に、
劫の代償で突っ切っても僅かに及ばないという、
それだけ井山さんの稼いだリードが大きかった。


完全勝利を、あわやというところまで追い詰められて、
2局目は名人が勝勢―――新聞でメイン部分の解説も
同時に掲載されていたが、名人が勝っていたはずだった。

完全勝利を、一手の失着で覆された。
1局目と立場が逆になっているが、結果は明暗分かれる。

やはり秒読みは恐ろしい。
プレッシャーや読む時間の足りなさよりも、
秒読みに入っているということは、
それまでに尋常なく頭を使ってきたということだ。

万全の芝野さんなら、決して間違えないであろう。
これも観戦していたプロは一様に気付いたとのこと。
まして芝野さんは読みが早いし、
ふてぶてしいほどプレッシャーにも強い。

だが、どのような棋士であろうと、無いものは作れない。
神経の消耗は、生理的な限界ラインなのだから。


私の方は、理由が低気圧という凡庸さではあるが、
消耗した状態を切っ掛けに、
この記事が書けるとは皮肉なものだと思う。
(書いてる今も頭がガリゴリ痛くて眠れないw)

といっても低気圧の件だけではない。
本当に強い相手と対局した後の疲労が、
どれほど尋常ならざるものかを、
知っているからこそ、類推的に解釈できる。

キャロルとクリフのサイコキネシスくらい
桁が違う話ではあるだろうけれど・・・。


それにしても、新生・井山裕太は強い。
七冠の頃を凌駕していると、私も思う。

以前のような、圧倒的なオーラが鳴りを潜め、
芝野さんなら勝てそうな気配もあるのに、
しかし負けが続いている。

先の本因坊戦で、かろうじて1勝しているが、
総評は趙治勲いわく「まわしにも届いてない」と。
以前の圧倒的オーラが、成長途中の危うさでもあるなら、
より完成度の高い強さになっていると言える。

芝野名人が「気持ちは挑戦者」と言った意味を、
ようやく私も、じわじわと分かりつつある。
じきに3局目が始まるが、果たして。






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