テーマ:魔談亭

吹雪に刻む哀悼歌 (後編)

◆ ◆ ◆ その夜のことだった。 深夜、冬未の家の扉が、少しずつ静かに開いていく。 内側から、彼女の両親が開いているのだ。 そして、数人の男たちが剣を手にして入ってきた。 音を立てずに、彼らは冬未のベッドへ忍び寄る。 そして一斉に冬未の布団めがけて突き刺した。 「・・・・・・?」 「・・・!」 …
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吹雪に刻む哀悼歌 (中編)

◆ ◆ ◆ 「何でも斬れる剣?」 魔王は首をかしげた。 といっても今は首だけしかないので、全体を傾けることになった。 「ああ、そうだ。それが冬未の勇者特性。“魔王を斬れる剣”・・・と言えば、わかるだろ?」 「なるほど。」 納得した顔で魔王は頷いた。 「魔王を斬れるなんていう表現は、かなり曖昧…
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吹雪に刻む哀悼歌 (前編)

未来は無限の可能性で満ち溢れている。 小さいときからずっと、まー君のことが好きだった。 きっと将来は、まー君と結婚するんだって思ってた。 婚約したことで、いよいよ夢は現実になっていくんだと思って、とても幸せな気分だった。 未来は無限の可能性で満ち溢れている。 7年前、まー君は勇者になった。 魔物を討伐しに出かけた…
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乙女とオトメの決闘記 (後編)

◆ ◆ ◆ 朝起きて、勇者が目にしたのは、魔法使いが魔王の娘と戦っている光景だった。 「は・・・・・・?」 意味がわからなかった。 側では竜王が真剣な顔で戦いを見つめている。 「おい、これはどういうことだよ!」 「引くに引けない乙女の意地ってやつよ。」 意味がわからなかった。 最初から説明…
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乙女とオトメの決闘記 (中編)

◆ ◆ ◆ 竜族の里は空模様とは裏腹に穏やかな気候で、程よく暖かい。 屋外でも会話が出来そうだったが、竜王は人間と話をするときの為に、わざわざ人間サイズの洋館を建設し、普段からそこに住んでいるという。 そこへ案内する前に、竜王は大事なことを済ました。 自らの指を切って、その血を魔王に飲ませたのだ。 「ん・・…
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乙女とオトメの決闘記 (前編)

魔王が死んだ。 あいつが死んだと聞いたとき、わたしの心も死んだ。 馬鹿野郎。 何で、死んだ。 馬鹿野郎・・・。 人間と魔族の平和の為に、命を差し出すだ・・・? あいつは、いつもそうだ。 自分勝手な自己犠牲野郎。 だから魔界の勇者で、魔王。 ふざけるなと言いたい。 何が、後は任せた、だ? わたしが素直に従…
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澄んだ瞳に映るのは (後編)

凄まじい爆発が起こり生死不明というときには、大概生きているというセオリーがある。 しかし実際には、万に一つも生きていることはない。 だから、これは奇跡と言っていい。 ただし、都合のいい偶然ではなく、勇者たちの選択の結果として起こった奇跡だ。 「・・・・・・?」 「う・・・?」 「・・・。」 「え・・・。」 勇…
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澄んだ瞳に映るのは (中編)

◆ ◆ ◆ 魔法使いと賢者のダブル封印魔法で拘束された魔王は、馬車で護送されていた。 勇者たちは釈然としない思いで、同行していた。 ただ1人、魔王だけが清々しい表情をしている。 「こんな便利な魔法があるなら、これで拘束されてから喋れば良かったな。大事な話だから、もっと落ち着いてしたかった。」 「・・・ひとつ…
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澄んだ瞳に映るのは (前編)

この世界には魔物がいる。 魔物の定義を語っていると長くなる。 大雑把に、人間以外で魔力を持つ生物の総称としよう。 世界の状況を語る前に、この世界の構造について説明する。 にわかには信じられない話だが、この世界とは球体らしい。 別の説では、ドーナツ状であるらしい。 いずれにせよ、暗黒の空間に浮いているという。 その事実に…
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勇者と魔王のファンタジー 目録

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◎幼馴染は夢を見る (前編) (中編) (後編)   あとがき ◎澄んだ瞳に映るのは (前編) (中編) (後編) ◎乙女とオトメの決闘記 (前編) (中編) (後編) ◎吹雪に刻む哀悼歌 (前編) (中編) (後編) 魔王…
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幼馴染は夢を見る   あとがき

◆ ◆ ◆ 幼馴染が魔王だったら? そんなベタな想像を小説化してみました。 たまにはこういう話を書いてみるのも悪くなかったなぁと思いながら。 読んでいただき、ありがとうございました。 最近は後書きで多くを語りすぎる傾向にあるので、今回は縮小します。 コメントでも書いた通り、ある現実の反映として構想していま…
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幼馴染は夢を見る (後編)

◆ ◆ ◆ 「こんなどうしようもない状況でも、まだ希望を捨ててはいないんだね。そういうところも大好きだよ、まー君。」 魔王は泣きそうな顔で笑った。 その目には涙さえ浮かんでいた。 「俺も、お前が好きだぜ冬未。・・・だから、殺す!」 勇者は俯いたまま、吐き捨てるように言った。 彼の全身が愛おしいほどに震…
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幼馴染は夢を見る (中編)

◆ ◆ ◆ 「ふざけんじゃねえ!」 勇者は激昂した。 「お前の夢の為に、どれだけの人間が傷つき死んでいったと思ってやがる! 夢ってのはなぁ、みんなを幸せにするもんなんだ! 愛しい人間と分かち合える、全ての人間と共有できる、それが本物の夢だろうが!」 彼は泣いていた。 旅の途中、決して泣くことがなかった勇…
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幼馴染は夢を見る (前編)

この世界は滅びかけている。 破滅の力を持つ魔王が世界を滅ぼしかけている。 天空を闇の力が覆い、地上を魔物たちが暴れまわった。 世界の都市の7割が消え、8割の人が死んだ。 残る人々は勇者に希望を託した。 その勇者は、私の幼馴染。まー君だ。 まー君は光の力を持っている。ほぼ不死身だ。 伝説の剣は、強力な魔物でも一刀両断…
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幼馴染は夢を見る   まえがき

◆ ◆ ◆ たまにはオリジナルな作品でも発表しようかということで、ちょっとした短編です。 オリジナルと言いつつ、某ゲームの要素をふんだんに取り入れていますが、ご愛嬌ということで。 前編、中編、後編と、全3回です。 短編だけに、前置きは短くしておきましょう。 明日から3日間、お楽しみください。 …
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ソロモンの七日間 あとがき

いや~、何だってこんな話になったものか(笑)。 最初の予定では、もっとオカルト的な匂いのする話にしようと思っていたんですが・・。八武はまだしも、佐久間を出そうと思ったのがまずかった。ちょい役で出すはずが、突然「札束の匂いがする!」と会議室に転がり込んできて、あれよあれよという間に表舞台に。八武も最初はエリークラに同行しないはずだったの…
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ソロモンの七日間 7

「うう~。」 大きな顔に汗びっしょりの麗美亜は襟倉を睨みつけた。 「呪い返しとか出来るもんならやってごらんなさいよ! これからも贅沢三昧するにはジジイの遺産が必要・・! そろそろ車をポルシェに買い替えたいし、キャビアの海で溺れたいわ! 手に入れたいブランド品は尽きないし、宝石だって必要よ! 夢は膨らむばかりね! ぜーたく出来ないなら…
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ソロモンの七日間 6

すると佐久間の口から得体の知れない臭い煙がモシュアアアと吐き出された。 モシュアアアと吐き出された緑の煙は部屋全体を包み込み、五芒星の形を作った。 「そうですか、私の聖なる結界の効力が切れるのを察知して新たなる結界を張るつもりですね。即座に理解しました。」 襟倉は飛び跳ねて喜んだ。その足の下には八武がいる。 「ぐ、ぐえっ。」 …
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ソロモンの七日間 5

今から3千年も昔、72の悪魔を従えて栄華を極めたソロモンという王がいた。その血を引く野茂家では、長らく魔術によって家を盛り立てていた。第七代頭首の明日真(あすま)は膨大な財産を蓄え、遺言によってその多くを可愛がっていた孫の玄太に与えていた。しかし当の玄太も黒江も、そんなことは全く知らなかった。何故なら祖父が死んでから間もなくして玄太は謎…
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ソロモンの七日間 4

「札束の匂いがする!」 会議室の扉を意味もなくブチ破って入ってきたのは、先程の大柄なナースだった。豊満な胸のネームプレートには「佐久間」と書いてある。そして彼女は意味もなく鼻息でナースキャップを吹き飛ばして襟倉に命中させた。こういった意味の無いことが、彼女は大好きなのである。 「久しぶりだな、エリークラ。」 「はい、2分ぶりですね…
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ソロモンの七日間 3

   ジャー ゴボゴボゴボ トイレの水が流れる音と共に、3人は別の場所へテレポートした。 「はっはあ!」 襟倉が威勢よく扉を開けると、そこは病院だった。 玄太と黒江の兄妹が呆気に取られていると、怪しいメロディーと共に白衣の男が歩いてきた。 両手を頭の上で組んで左右に動かし、それと逆のリズムで激しく首を振りながら近付いてくる…
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ソロモンの七日間 2

襟倉は黒江の反応にも構わず話を続けた。 「お宅のトイレは実に素晴らしい。住む人々の善良さが漂ってくるような匂いがぷんぷんしますな。私はこの家にいる野茂玄太という人を助けに来た襟倉正一です。」 「たすっ、助け・・・?」 「助けますから。これはマスカラ。」 そう言って襟倉は自分のまつ毛を動かしてみせた。 「そしてこれが楽器のマラカ…
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ソロモンの七日間 1

「だんだんすたたん、だん! だん!」 灰色のTシャツと黒いスカートを穿いた男が上機嫌で歩いている。年齢はよくわからない。10代のようにも30代のようにも見える。やや白みがかった黒髪をしているが、顔には皺一つ無い。 「だんだんすたたん、だん! だん!」 美男子と言えば、そうかもしれない。しかし彼の場合、それは誉め言葉とは言えないだろ…
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ソロモンの七日間 まえがき

毎度おなじみエリークラ・・・おっと、これが初登場だったか。そうそう、年末の段階では執筆中だったのが、3月に書きあがったのでした。 久々の『魔談亭』シリーズです。去年の夏以来ですねー。 今回は悪魔は、あまり出てきません。シリーズの中でも少し変り種の作品になるかと思います。 メフィスト 「ルシュファー様の再登場は、まだです…
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アキレマの野望 (パワーアップキット) 3

<前回までのあらすじ> ゲームの中に閉じこめられてしまったルシュファーは佐久間闇子の卑劣な罠に苦しめられる。ゴリーレッドが武士の情けをきかせたおかげで一度は助かったが、佐久間の責め攻めはまだまだ続く。今までのは序の口に過ぎないことが、これから明らかになっていく! 残るカードはあと1枚。正体不明の敵に対しては有効なカードではあるが・・…
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アキレマの野望 (パワーアップキット) 2

<前回までのあらすじ> 佐久間闇子はゴリーレッドと協力して、不思議な夢空間を作り出した。そこにルシュファーを閉じこめ、更に人間並の力しか出せないように設定した。ルシュファーはさっそく不良に襲われ、貞操の危機。 そこへ佐久間が邪悪な取引を持ちかける。3枚のカードがあるが、それを使うには私は『佐久間闇子様の奴隷です』と大声で宣言しなくて…
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アキレマの野望 (パワーアップキット) 1

いつの間にかルシュファーは見知らぬ世界にいた。 人間界に存在する繁華街に似ているが、何かが違う。空間全体が不気味な圧迫感があり、雷雲の中にいるような緊張感がある。 (何だろう、胸がドキドキしてる。これは不安か緊張か・・それとも、ときめいているのか。) 「しかし・・ここは何処だ?」 思わず呟くと、頭の中に声が響いてきた。 《やあ…
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憂鬱なルシュファー あとがき

<魔界の第七宮にて> ルシュファー 「メフィスト、お前いつからこんなに変態になった? ・・前からおかしいとは思っていたがな。」 メフィスト 「以前、ゴリーレッド、キミィ=ノラン、大魔道のような部下が欲しいとおっしゃりましたよね。つまり総合すると、漫才とセクハラの相手が出来て、有能で忠実、ちょっとエッチでお茶目で愉快な部下…
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憂鬱なルシュファー 15

数日後、魔界の第六宮。 ルシュファーはバルコニーにもたれて溜息をついていた。 「はあ~あ、憂鬱だねえ・・。」 「いかがなさいましたか、ルシュファー様。」 「メフィストか。」 「人間界で暮らしている娘や孫たちのことが気がかりなのですか。」 「いや、そうじゃないよ。人間界ならオルティ一族の脅威にさらされることはないからな。」 …
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憂鬱なルシュファー 14

「“アキレスと亀”も“無限の中間点”も時間を限定することによって成立するパラドックス・・。第六禁呪パラドックスは時間と空間を操る。次元の壁を越えて平行世界の私を集めてみたんだ。72体になってしまった私。実に奇妙な光景だ・・。」 72体のうち1体のルシュファーが嬉しそうに解説した。 「さあ、そろそろ終幕といこうじゃないか。答は見つかっ…
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